第0話 プロローグ
2019年12月27日

このゲームはずっと前から存在していた。誰も気づかぬ遥か昔から。
僕は突然このゲームにログインした。しかし、この世界以前の記憶はない。どうやら他のプレイヤーも同じらしい。ここはまるで本物の世界の様に全てが息づいている。多種多様な動物たち、みずみずしい草花、活気のある街、穏やかな山里、どこを見渡しても魅力にあふれている。そんな世界でどんな未来が待っているのだろう。
このゲームのクリア条件は何だろうか。幸せになること?夢をかなえること?満足して安心して死ぬこと?とりあえずそこら辺を知るためにもこの世界を本気で生きようと決意した。
このゲームに赤ちゃんとしてログインしてもう何年も経ってしまっている事はこの際置いておく。過去は過去。僕は未来を作るために今も息をしているのだから。
いま散歩中。この世界はすごく美しい。細かいところまで繊細にできている。そんな感じでふらふら歩いていると声が聞こえてきた。
「突然ですが、これから人生の攻略のヒントを提供いたします。どうぞお見知りおきを。」
突然も突然すぎる。せっかく平和にのんびり歩いていたのに邪魔された。っていうか周りに誰もいないし。まだ年齢的にも若いのにもう幻聴はショック。
「幻聴とは失礼な。せっかくあなたのゲームガイドをして上げようと思ってるのに。」
また聞こえてきた。・・かくかくしかじか・・・・数分後・・・・
どうやら脳内再生でこのゲームの攻略のヒントを教えてくれるらしい。あの声はこのゲームのシステムだそうだ。一瞬面倒臭い感じがしたけどやっと準備は整った。どんなゲームも最初はやたら会話が長かったりして面倒くさい。それと同じだから仕方がない。
では気を取り直して、ジンセイ‐オンライン攻略開始!